生徒さんの作品です。
先月仕立てたミニ着物に合わせてピンクの長襦袢も仕立てました。
子供たちが遊んだ懐かしいお人形に着せてみました。
奈良で和服のお仕立て・お直しなら森和裁工房(奈良県磯城郡田原本町)
正倉院展に行って来ました。
今年は羊木﨟纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)が展示されていました。
これは絹地にろうで防染して模様を染めた後、屏風に仕立てたものの一部です。
ペルシャ風な印象を受けますが日本製だそうです。
平成十五年(切手趣味週間)と平成二十七年(正倉院の宝物シリーズ第2集)では記念切手の図案にもなりました。
この隣には防染に使ったろう(薬としても使う)と保存用の麻袋も展示されていました。
ろうはミツバチの巣から採ったもので、ベーグル(パン)の形に固めています。
こちらは見た目も地味で人垣もまばらでしたが、私には興味深い品々です。
他にも帯飾りや組ひも、敷物や経帙(きょうちつ・経典を束ねて巻くカバー)などが展示されていました。
正倉院展の染織品は木製品や金属製品よりも、より1300年の時の流れを感じることができます。
この白い生地は礼装用の重ね着でした。
現在、黒留袖などの礼装用の着物は二枚重ねて着ているように、
見える部分だけを縫い付ける「比翼(ひよく)仕立て」という
技法で仕立てますが、50年程前までは本当に二枚重ねて着用
していました。
これは教室の生徒さんのお母様のものです。
傷みや汚れもないので長襦袢に仕立て直したらと提案しました。
そこで身近にあるビニールひもで巻いたり、丸い綿で布を挟ん
だりして、絞り染めを一緒に楽しみました。
絞り染は、ほどく時とてもワクワクします!!
染料は「こがねばな」という天然染料で銅媒染にすると
やさしいクリーム色に染め上がりました。
出来上がりをイメージして衣裄に掛けてみました。
紬の着物などに似合うステキな長襦袢に仕上がりそうです。
繻子織りは主に経糸を多く浮かせて織る技法です。
表面がなめらかで光沢があり水をはじきやすい特徴から、更に防水加工をして雨コート地として用いられています。
先月ご縁のあるお寺で催された演芸会に太神楽曲芸師の豊来家大治朗さんが登場されました。
曲芸の技はもちろんですが、私は着物から目が離せませんでした。
「あの着物は雨コートの生地?!」
後日、別の会場でお話を伺うと大治朗さんご自身が色も生地も選んで、着物として仕立ててもらったそうです。
なかなかのファッションセンスですね。繻子は服地で言うとサテン(英語)のことですから衣装としては最高です。
ホールの舞台でも凛とした袴姿が冴えていました。
大治朗さんご夫妻と一緒に写真を撮っていただきました。
奥様は落語家で尼僧の 露の団姫(つゆのまるこ)さんです。
お二人の益々のご活躍をお祈りしています。