「お月見」と「紋」

今年の中秋の名月は10月1日です。

各地で催される観月会も自粛される所が多いようですので「おうちでお月見」を楽しみましょう。

着物で出かけたい行事やイベントは早く元に戻ってほしいですね。

古くから信仰や農耕の暦(こよみ)としての月、縁起の良い目出度い動物としての兎、このような紋を持つ家があります。

公家装束(くげしょうそく)

奈良県立美術館では「みやびの色と意匠」のテーマで公家装束の美を展示しています。

平安時代になるとそれまでの唐風の文化から日本独自の美意識が確立されてきます。

身分による色や文様が定められ男性の束帯(そくたい)や女性の十二単が完成されました。

展示品は江戸から昭和にかけて制作されたものです。

これらの装束の文様は現在も格調の高い柄としてきものや帯のデザインに用いられています。

 

青海波(せいかいは)!!

海の波を図案化した伝統的な文様です。

夏のイメージもありますが、このような連続文様は永遠に続くことを意味し「おめでたい縁起の良い文様」として季節を問わず、礼装用の着物にも用いられています。

我が家の愛犬のひんやりマットの柄も青海波を選びました。

被布衿の雨コート!!

和服のコートは日本にやって来た西洋人の服装をヒントに江戸時代に考案され、現在に至っていると思われます。この衿を被布衿(ひふえり)といいます。

若い人向きに流行した時代もありました。

なんとミニ―ちゃんも着用しています。

☆美しいキモノ「きものコート集」98ページ 昭和54年発行 ㈱婦人画報社

☆便箋DC和風ミニ― sun-star (30年程前に購入したものです)

秘密の和裁道具

京都のバス停でかわいい舞妓さんの広告が目に留まり近づいて見ると、とてもおしゃれな牛乳石鹸の広告でした。

我が家もボディシャンプーより石鹸派、いつもこの赤箱を愛用しています。

そして、私にはもう一つの使い方があります。

使って薄く小さくなった石鹸は、もう一度乾燥させると、布に印をつけるチャコに変身します。

布に色が残らず、針の滑りも良いので和裁士にとっては秘密の道具といえます。

チャコとして使うにも赤箱石鹸の練りは最高だと思います。

着物に風を!!

庭のすずらんが可憐な花をつけました。

爽やかな季節になりましたが、外出自粛が求められています。

お天気の良い日には着物に風を通しましょう。

何年もタンスの中でじっと重ねられている着物は気の毒です。

着物を一枚ずつ広げなくてもタンスから出して床に置くだけでも大丈夫です。

仕舞う時は、出した時と順番を替えて重ねましょう。

着物用の防虫剤もこのように着物を入れ替えてから使いましょう。

毘沙門亀甲文(びしゃもんきっこうもん)

毘沙門亀甲文は六角形の亀甲紋を三ツ合わせて図案化した文様です。

この名称は北方を守護する仏像の兜跋(とばつ)毘沙門天像の腰鎧の模様に由来しています。

私の好きな文様の一つで、写真は肩裏地です。

奈良国立博物館では現在この毘沙門天像を集結させた特別展が開催されています。

☆新型コロナウイルスの影響で3月15日までは休館です。

ガアテマラ共和国

私の住む田原本町が東京2020オリンピックでガアテマラ共和国のホストタウンを務めることになりました。

ガアテマラは面積が日本の北海道より少し大きいくらいの小国ですが、マヤ文明の中心地として発展してきました。

なかでも織物は各地の民族が独自の伝統文様・基調となる色・衣装の型などを守り続けています。

2015年8月の最初の和裁あれこれ話に、織物の女神のイラストを載せました。

以前から魅力を感じていたグアテマラがとても身近になりました。

(写真は、ガアテマラ観光庁発行のパンフレットより)

 

松浦屏風と彦根屏風!!

彦根城主 井伊家に伝わる彦根屏風を大和文華館で、同館所蔵の松浦屏風と共に同時に鑑賞することが出来ました。

遊女たちを描いた風俗画ですが、その衣装の美しさ・文様の繊細さに目を奪われます。

《平成26年大和文華館展覧会チラシより》

また、連れている洋犬・長いキセル・トランプ遊び・ロザリオなど舶来品の数々に庶民の日常とはかけ離れ、贅を極めた遊里の世界を垣間見ることが出来ました。