着物の布幅(3)

屋外には、さまざまなお店がのぼり旗をいっぱい立てています。

のぼり旗は、古代より祭礼や軍容(ぐんよう)に用いられて来たのですが、布が風にはためく清々しさと、少し離れた所からでも合図を送れることから、広告や啓発用として現在も広く活用されています。

でも、何の違和感もなくのぼり旗を受け入れている私達って、おもしろいと思いませんか。

のぼり旗も着物と同様に、一幅の布の文化が現在まで継承され、古代から続く和の文化が私たちの日常生活に溶け込んだ一例だと言えます。

着物の布幅のお話は終わります。

着物の布幅(2)

反物の幅のことを並幅(なみはば)又は一幅(ひとはば)と言います。

並は普通のことですが、「もと」になるという意味もあります。

身体を包む着物は勿論のこと、風呂敷や布団を始め生活の中で大きな布幅のものが必要な時は、すべて縫い合わせて使っていました。

2枚継いだものは二幅(ふたはば)もの、3枚継いだものは、三幅(みはば)、4枚は四幅(よはば)と言います。

また、三布(みの)四布(よの)五布(いつの)と呼称する地方もあります。

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図2 敷ぶとん   図3 掛ぶとん

図2は、表裏通しで3枚を縫い合わせている。一反でシングルの敷きぶとんができる。

図3の掛ぶとんは、表地が3枚、裏地は5枚を縫い合わせている。

ふとん屋さんは昔から存在していますが、家族のふとんを作る(仕立てる)のは女性の教養で、和裁の分野に入ります。

 

着物の布幅(1)

図1
図1

ひとり分の着物ができる長さ(約12m)の布を反物(たんもの)といいます。

その幅は約40㎝です。

これは人間の肩幅と同じということです。

時代は紀元前まで遡りますが、世界各地で布を織るために考案された手織り機が図1のイラスト(染織の美 第28号100ページ 1984年京都書院より)のようなものです。

日本では弥生時代頃といわれています。

現在では、機械で3m以上の布幅を織ることができますが、日本の着物は、この布幅の文化を大切に守り続けている世界に誇れる民族衣装といえます。

☆イシチェル博物館はグァテラマにあります。