袷でもなく、単衣でもない八掛だけをつけた仕立て方があります。
紬などで仕立てると季節の変り目に重宝し、気軽に着用できます。
腰の位置までは袷になるように胴裏地を足して仕立てています。
袖には袖口布をつけますが振り側は三ツ折りぐけにしています。
☆関西では八掛ですが関東では「すそまわし」と言います。
奈良で和服のお仕立て・お直しなら森和裁工房(奈良県磯城郡田原本町)
正倉院展に行って来ました。
今年は羊木﨟纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)が展示されていました。
これは絹地にろうで防染して模様を染めた後、屏風に仕立てたものの一部です。
ペルシャ風な印象を受けますが日本製だそうです。
平成十五年(切手趣味週間)と平成二十七年(正倉院の宝物シリーズ第2集)では記念切手の図案にもなりました。
この隣には防染に使ったろう(薬としても使う)と保存用の麻袋も展示されていました。
ろうはミツバチの巣から採ったもので、ベーグル(パン)の形に固めています。
こちらは見た目も地味で人垣もまばらでしたが、私には興味深い品々です。
他にも帯飾りや組ひも、敷物や経帙(きょうちつ・経典を束ねて巻くカバー)などが展示されていました。
正倉院展の染織品は木製品や金属製品よりも、より1300年の時の流れを感じることができます。
この白い生地は礼装用の重ね着でした。
現在、黒留袖などの礼装用の着物は二枚重ねて着ているように、
見える部分だけを縫い付ける「比翼(ひよく)仕立て」という
技法で仕立てますが、50年程前までは本当に二枚重ねて着用
していました。
これは教室の生徒さんのお母様のものです。
傷みや汚れもないので長襦袢に仕立て直したらと提案しました。
そこで身近にあるビニールひもで巻いたり、丸い綿で布を挟ん
だりして、絞り染めを一緒に楽しみました。
絞り染は、ほどく時とてもワクワクします!!
染料は「こがねばな」という天然染料で銅媒染にすると
やさしいクリーム色に染め上がりました。
出来上がりをイメージして衣裄に掛けてみました。
紬の着物などに似合うステキな長襦袢に仕上がりそうです。